特集 スギ・ヒノキ花粉症
XI.舌下免疫療法の展望
後藤穣
1
Minoru Gotoh
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科准教授/日本医科大学多摩永山病院部長
pp.102-109
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201401102
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I 型アレルギー疾患の根治療法としてアレルゲン免疫療法がある。免疫療法は数年間治療を行うと治療終了後も効果が持続し,長期寛解を誘導できるといわれているが,注射法ではアナフィラキシー反応など副作用の危険性があり本邦では十分に普及していない。舌下免疫療法はそのようなデメリットを払拭した方法で,安全に免疫療法を行うことができる解決方法である。日本ではスギ花粉症に対して舌下免疫療法が研究され,2010年秋には国内第 III 相試験がスタートした。免疫療法はこれまでアレルギー治療の選択肢として軽視されてきたが,舌下免疫療法が実臨床で使用可能になれば,重要な治療オプションになることが期待されている。