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増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016
5.皮膚科医のための臨床トピックス
スギ花粉症の舌下免疫療法
Sublingual immunotherapy for Japanese cedar pollinosis
大久保 公裕
1
Kimihiro OKUBO
1
1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野
1Department of Otorhinolaryngology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
キーワード:
スギ花粉症
,
舌下免疫療法
,
アナフィラキシー
Keyword:
スギ花粉症
,
舌下免疫療法
,
アナフィラキシー
pp.164-166
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204771
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summary
アレルギー性疾患に対するアレルゲン免疫療法は,1991年のNoon L.の報告以来100年を超える治療経験がある.しかしアレルゲン免疫療法をより有効に,より安全に,より短期間で施行するための方法が模索され,舌下免疫療法が最も実用化が近い方法となった.国際的には花粉症だけでなくダニアレルギーの治療にも使用でき,成人のみならず小児に対する安全性も確立され,高い有効性が報告されている.現在スギ花粉症に対する舌下免疫療法のいくつかの臨床試験が行われ,局所の違和感,腫脹以外の副作用はなく,皮下免疫療法より安全であることが確認された.有効性は,プラセボより症状スコアを有意に減少させ,薬物使用量も減少させた.また花粉症季節中のQOLの悪化を軽減する治療法であることが確かめられた.今後の一般臨床での治療に期待したい.
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