特集 スギ・ヒノキ花粉症
II.スギ花粉症ではなく,スギ・ヒノキ花粉症であることの意味
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
pp.27-36
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201401027
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
ヒノキ花粉症はスギ花粉症患者の大多数で発症しうる。ヒノキは関東地方以西で広く植林されており,これらの地域では花粉症の遷延化を引き起こす。ヒノキ花粉の主要アレルゲンはスギ花粉と高い相同性を示すが,ヒノキ花粉に特有なコンポーネントの存在が示唆されている。血清学的にヒノキへの感作を示さない患者においてもヒノキ飛散期には発症するためケアが必要である。スギ花粉エキスを用いた免疫療法はヒノキ花粉症には効果が弱く,ヒノキ花粉エキスの開発が望まれる。初期療法のヒノキ花粉症への有効性は花粉飛散総数や薬力学特性に依存する。