特集 食物アレルギー~研究の最前線~
V.食物アレルギーの治療 2.経皮免疫療法の可能性
山口公一
1
Koichi Yamaguchi
1
1同愛記念病院小児科部長
pp.950-956
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201406064
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皮膚は食物アレルギーにおける局所反応やアナフィラキシーなどの全身症状を誘発する場としてだけでなく,経皮感作すなわち抗原感作の場としても近年注目されており,バリア機能の重要性が指摘されている。一方,経皮免疫療法(epicutaneous immunotherapy:EPIT)はアレルギー疾患においてはまだ一般的ではないが,皮膚のもう1つの重要な働きである免疫システムを利用した治療法で,従来の皮下注射による免疫療法(subcutaneous injection immunotherapy:SCIT)や舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)あるいは経口免疫療法(oral immunotherapy:OIT)などに比べて全身性の症状誘発のリスクは低く,比較的安全で簡便な方法として期待されている。