特集 高齢者のアレルギー性皮膚疾患
III.皮膚のステロイド代謝と皮膚老化 ~11β-HSD1を中心に~
寺尾美香
1
,
糸井沙織
1
,
片山一朗
2
Mika Terao
1
,
Saori Itoi
1
,
Ichiro Katayama
2
1大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
2大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学講座 教授
pp.252-261
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201402044
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表皮角化細胞は11β-hydroxysteroid dehydrogenase 1(11β-HSD1)やde novo合成系を介してコーチゾールを産生することができる。皮膚での11β-HSD1発現は加齢とともに上昇し,細胞増殖や創傷治癒を負に制御していた。一方,IL(interleukin)-1βやTNFα(tumor necrosis factorα)刺激などにより低濃度コーチゾール(10-1010-12M)を表皮角化細胞から誘導し,紫外線,化学物質,微生物由来物質による向炎症性サイトカインの産生を正に制御している可能性が考えられ,加齢による炎症の増幅に関与している可能性が示唆された。