臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
V.内分泌疾患
11β-hydroxylase欠乏 VS 21-hydroxylase欠乏
出村 博
1,2
Hiroshi DEMURA
1,2
1東京女子医科大学・内科
2東京女子医科大学・RA科
pp.1972-1973
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216837
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なぜ鑑別が問題となるか
両者はともに先天的に副腎皮質におけるステロイド合成酵素の欠損により,血中コルチゾール値が低下し,negative feedback機構によってACTHの分泌亢進が生ずる結果,副腎アンドロゲンが増加し,副腎性器症候群を示す.すなわち,女子にあっては陰核肥大や陰裂融合などの仮性半陰陽,男子にあっては陰茎肥大などの性早熟がみられ,両者はともに早期恥毛出現,骨年齢促進や多毛などをみる.21-hydroxylase欠損のうち,Na喪失型(salt losing form)は生後1〜2週から下記の症状が出現するので,11β-hydroxylase欠損と誤られることはない.しかし,大部分を占める単純性男性化型(simple virilizing form)では理学所見のみからは11β-hydroxylase欠損症との鑑別は困難である.
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