今月の主題 内分泌疾患診療と研究の最前線
副腎疾患—遺伝子解析とその応用
高血圧と11β-hydroxysteroid dehydrogenase遺伝子
武田 仁勇
1
,
宮森 勇
1
,
竹田 亮祐
1
1金沢大学医学部第2内科
pp.395-397
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907924
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ポイント
●11β-hydroxysteroid dehydrogenaseは,glucocorticoidを不活化する酵素であり,肝臓や腎臓以外に血管壁にも存在し,血圧調節に重要な働きをしている.
●apparent mineralocorticoid excess症候群は遺伝的な高血圧疾患であり,本酵素の異常により生ずると考えられる.
●グリチルリチンは本酵素活性を転写の段階で抑制し,偽性アルドステロン症を生ずる.
●胎盤における本酵素活性の低下により,胎児がグルココルチコイド過剰の環境におかれると高血圧発症の原因になりうる.
●本態性高血圧症,遺伝的高血圧発症ラットでは本酵素の異常が一因と考えられる.
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