Japanese
English
特集 外科と薬剤
ステロイド—ショック時を中心に
Mechanism of steroid action and mode of administration in shock
岡田 和夫
1
Kazuo OKADA
1
1帝京大学医学部麻酔科
pp.345-353
発行日 1977年3月20日
Published Date 1977/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206701
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
薬効の判定が客観的パラメーターに基づいて比較的容易に行なえる薬剤と必ずしも容易でない薬剤とがある.外科領域でのステロイドの使用はショック治療が中心になるが,移植における免疫反応抑制(immune suppression)や脳外傷などでの脳浮腫対策での効果ほどこのステロイドのショック時の効果の判定は明確に行なえない.
ショック時にステロイドをどういう効果を期待して投与しているかでいろいろの意見があるが,これは動物実験での成績と臨床成績との間にギャップがあつたのも一因であろう.しかしステロイドを臨床で使用し治療成績が向上したと感じる人が臨床の第一線で増えて来ているのも事実である.これが動物実験のショック・モデルについてのステロイドの作用機序の研究を促進させる誘因にもなり,ひいてはショックの病態生理の研究を循環面から代謝面,免疫面など広い分野に押し拡げた鍵にもなつたと思う.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.