特集 高齢者のアレルギー性皮膚疾患
IV.高齢者のアレルギー性皮膚疾患:その診断と治療
横関博雄
1
Hiroo Yokozeki
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野教授
pp.262-267
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201402054
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皮脂欠乏性皮膚炎・貨幣状湿疹の発症の基盤には老人性乾皮症があり,さらに低湿度,過度な暖房などの環境因子,頻回の入浴による脱脂,タオルなどの刺激,遺伝的因子なども関与していると考えられる。皮膚の乾燥が痒みの閾値を下げると考えられている。痒みの閾値の低下で痒みが増すことにより掻破して,さらに炎症性サイトカイン,ヒスタミンが産生される。それ以外の起痒物質としてトリプターゼ,サブスタンスPなどが関与している。表皮内神経線維の直接刺激,オピオイドの関与もあるとされる。脂漏部位と間擦部に生じる慢性の皮膚炎を脂漏性湿疹と呼ぶ。成人期脂漏性湿疹は高齢男性に発症することが多く,病態形成にマラセチアの関与が考えられている。