特集 スギ・ヒノキ花粉症
VI.初期療法の考え方の変遷
黒野祐一
1
Yuichi Kurono
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授
pp.64-69
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201401064
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初期療法はスギ花粉症に対する重要な治療法として広く普及している。しかし,その方法,とくに開始期については,鼻アレルギー診療ガイドラインおいても改訂ごとにその記述が変更されている。この治療法が開発された当初は季節前投与と呼ばれ,花粉飛散開始前の予防的治療と考えられていた。しかし,最近発刊された2013年版のガイドラインでは,「第2世代抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬は花粉飛散予測日または症状が少しでも現れた時点で内服を開始する」と記されている。これに至るまでの経緯について,エビデンスをもとに解説した。