Japanese
English
解説
頻拍発作の発生機序の考え方の変遷
The change of the way of thinking as to generation mechanisms of tachycardias
沢登 徹
1
,
平岡 昌和
1
Tohru Sawanobori
1
,
Masayasu Hiraoka
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所循環器病部門
1Department of Cardiovascular Diseases, Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University
pp.1053-1060
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204939
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頻拍発作は心房,心室いずれの部位でも観察される。その種類は大きく分けると,発作性頻拍,細動,粗動となる。この区別は主にrateによってなされるのが普通で,心房を例に挙げれば,発作性頻拍(140〜200/分),粗動(200〜350/分),細動(400〜550/分)となる。しかし実際には頻拍と粗動を一線を画して分けることは困難であり,粗動と細動の間となると区別するrateにある幅すら存在する。しかし不整脈発生機序から,これらを区別しようとしても,発生機序は必ずしも単一ではなく,重複して関与するものもあり,それぞれに特有なものはない。頻拍の経過中に機序が変化することもあって,その区別はむずかしい。さらに,臨床上の頻拍性不整脈となると,その大部分の発生機序は間接的にしか推測できない。そこで頻拍性不整脈の個々につき発生機序の考え方を記載していくのではなく,これまで動物実験でなされてきた発生機序の考え方の変遷を記述し,最後に個々の例にふれたいと思う。
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