特集 薬物アレルギー
IX.セツキシマブとα-gal IgE
千貫祐子
1
,
高橋仁
2
,
森田栄伸
3
Yuko Chinuki
1
,
Hitoshi Takahashi
2
,
Eishin Morita
3
1島根大学医学部皮膚科学教室講師
2島根大学医学部皮膚科学教室
3島根大学医学部皮膚科学教室教授
pp.1838-1842
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201312086
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セツキシマブはEGFRを標的とするヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体で,頭頸部癌や大腸癌の治療薬として用いられている。近年,米国において,セツキシマブによるアナフィラキシーの原因がα-galに対する抗糖鎖抗体であることが報告され,これらの糖鎖がウシやブタやヒツジなどの哺乳類に豊富に存在するため,これらを摂取した時にもアナフィラキシーを生じることが報告された。筆者らの施設で経験した獣肉アレルギー患者においても全例でセツキシマブ特異的IgEが検出されたことから,セツキシマブ投与前に獣肉アレルギーの問診と牛肉特異的IgEを測定することによって,α-galが原因となるセツキシマブのアナフィラキシーを予防出来る可能性がある。