特集 蕁麻疹の病態と治療 アップデート
IV.CD203c測定の実際と蕁麻疹診療における位置づけ
千貫祐子
1
,
森田栄伸
2
Yuko Chinuki
1
,
Eishin Morita
2
1島根大学医学部皮膚科学教室
2島根大学医学部皮膚科学教室 教授
pp.234-241
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201302036
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IgE依存性の即時型アレルギーでは,好塩基球は肥満細胞とともに中心的な役割を果たす細胞である。好塩基球は末梢血中に局在するため,in vitroで容易にアクセスできるエフェクター細胞であり,近年,即時型アレルギーの診断や免疫療法の効果判定に好塩基球活性化試験(basophil activation test;BAT)が注目されている。筆者らは,抗原に対する好塩基球の反応性を活性化マーカーCD203cの発現を指標として解析する方法に着目し,食物アレルギーの診療におけるその有用性を確認した。IgE依存性の即時型アレルギーにおいて,BATは負荷試験に代わる臨床検査として応用出来る可能性がある。