特集 薬物アレルギー
VIII.生物学的製剤による過敏症
山口由衣
1
,
相原道子
2
Yukie Yamaguchi
1
,
Michiko Aihara
2
1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学 講師
2横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学 教授
pp.1829-1836
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201312077
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生物学的製剤の発展が近年目覚ましい。一方,生物学的製剤の使用において,タンパク製剤に対する過敏症状やマウス由来成分に対するアレルギー,さらにはその薬剤の分子標的作用によって誘導された免疫学的偏倚による独特な副作用がみられることがある。特にTNFα阻害薬は,乾癬の治療薬であるにも関わらず乾癬様皮疹を誘発することが知られる。またTNFα阻害薬による薬剤誘発性ループスは,他剤によるものとはやや異なる特徴を有している。生物学的製剤の使用に際しては,これら二次的に起こりうる現象の理解と対策が必要である。