特集 薬物アレルギー
VII.肝障害
田中篤
1
Atsushi Tanaka
1
1帝京大学医学部内科学講座教授
pp.1824-1828
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201312072
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薬物性肝障害は薬物が直接肝障害を惹起する場合,および個体の特異体質による場合に分類される。特異体質による薬物性肝障害はさらにアレルギー性と代謝性とに分けられる。実臨床で最も多く遭遇するのは特異体質,中でも代謝性による薬物性肝障害であり,皮疹や好酸球増多を伴う典型的なアレルギー性薬物性肝障害の頻度は比較的少ない。薬物性肝障害の原因薬剤として近年健康食品,漢方薬が増加している。薬物性肝障害の診断にしばしば薬物リンパ球刺激試験が行われるが,その施行方法や時期,結果の解釈には十分な注意が必要である。