カラーグラフ 臨床医のための病理学
VII.腎疾患(2)
金子 仁
1,2
1日本医大
2日本医大・老研基礎部
pp.890-891
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204824
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糖尿病(D. M.)は最近高齢者や肥満者が多くなって,問題となってきた疾患である.膵のランゲルハンス島が犯されるが,腎糸毬体に病変が起こることが稀でない.高血圧,血尿,蛋白尿等が出る.これをKimmelstiel-Wilson症候群と呼ぶ.尿毒症で死亡する場合もある.
紅斑性狼瘡(S. L. E.)は自己免疫疾患といわれ,LE現象やLE細胞が出るので有名な疾患だが,腎糸毬体にwire loop lesionと呼ばれる病変が起こり,やはり尿毒症で死亡する場合がある.
腎癌は通常グラウィッツ腫瘍と呼ばれ,明るい細胞が特徴である.腎孟や尿管や膀胱に発生する腫瘍は移行上皮癌が一番多い.
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