特集 アナフィラキシス
X.全身性マスト細胞症によるアナフィラキシー
望月博之
1
Hiroyuki Mochizuki
1
1東海大学医学部専門診療学系小児科学教授
pp.1192-1200
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308092
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全身性マスト細胞症は,体内の過剰のマスト細胞により特徴的な臨床症状を引き起こす疾患である。稀な疾患のため正確な発生率は確認されていないが,臨床症状からもサイレントなものから腫瘍に分類されるものまで多岐に及び,複数の異なるサブタイプに分類されることが知られている。全身性マスト細胞症の患者はその基本的な病態から血清トリプターゼ値が高値を示すことが多く,さらに手術における麻酔や薬剤,虫刺による刺激などにより,重度のアナフィラキシー(またはアナフィラキシー様症状)を呈するため,その経過に注意が必要である。