特集 アナフィラキシス
II.アナフィラキシーにおけるマスト細胞の役割
岡山吉道
1
Yoshimichi Okayama
1
1日本大学医学部免疫・アレルギー学グループ准教授
pp.1120-1125
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201308020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
IgE依存性のアナフィラキシーの機序では,マスト細胞に発現しているFcεR I が責任受容体であり,ヒスタミンが中心的なメディエーターである。IgE非依存性の機序としては,抗原特異的IgG1と抗原による免疫複合体によってマスト細胞に発現しているFcγR III Aが架橋されてマスト細胞が活性化され,ヒスタミンが遊離される系に加え,好塩基球および好中球に発現しているFcγR III Aの架橋によって細胞が活性化され,PAFが産生される系および好中球のFcγR IV の架橋によって好中球が活性化され,PAFが産生される系がマウスでは報告されている。ヒトのアナフィラキシーにおいても,PAFは重要な役割を果たしていることが示されている。