Japanese
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特集 見逃してはいけない薬疹
統計
全身麻酔中に発生したアナフィラキシー
Anaphylaxis during total anesthesia
角田 佳純
1
,
竹原 友貴
1
,
庄田 裕紀子
1
Kasumi Kakuda
1
,
Yuki Takehara
1
,
Yukiko Shoda
1
1住友病院皮膚科
キーワード:
アナフィラキシー
,
全身麻酔
,
皮膚テスト
,
βトリプターゼ
Keyword:
アナフィラキシー
,
全身麻酔
,
皮膚テスト
,
βトリプターゼ
pp.104-109
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000001932
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はじめに
日本での麻酔中のアナフィラキシー発症頻度は0.01%で,その死亡率は4.76%である1).重篤なアナフィラキシーショックでは症状の進行は非常に早く,抗原曝露から循環虚脱と呼吸停止に至るまでの時間の中央値は薬物や造影剤などでは5分といわれている.
全身麻酔下の手術中は自覚症状を確認できず,覆布や消毒薬の色などで皮膚症状もわかりにくく,アナフィラキシーの確定診断は困難である.それに加え,全身麻酔中は比較的短時間に多くの薬剤が使用されるため,アナフィラキシー原因薬剤の同定も非常にむずかしい.また,手術が中断されてしまうケースもあり,その後患者が安全に十分な治療を受けられるようにするためにはアナフィラキシーの診断と原因精査は必須であり,われわれ皮膚科医の役割は非常に大きいといえる.
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