特集 気絶するほど悩ましい―危険な失神の見分け方
【危険な失神・一過性意識障害】
アナフィラキシー
溝辺 倫子
1
,
志賀 隆
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター(Noguchi Hideyo Memorial International Hospital)救急科
キーワード:
アナフィラキシー
,
失神
,
エピネフリン
Keyword:
アナフィラキシー
,
失神
,
エピネフリン
pp.27-29
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103078
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Case
アナフィラキシーショックにより失神を起こした1例
患者:18歳,男性.
既往歴:特になし.
アレルギー歴:ハウスダスト,スギ.
現病歴:夕食後,22時頃にモモを食べた.24時頃,全身のかゆみと発赤,咳,鼻水が出現.母親の判断で抗アレルギー薬を内服.その後は自室で過ごしていたが,就寝前にトイレに行き部屋に戻る途中で,気がついたら,母親に起こされていた.母親は,バタンと倒れる大きな音で様子を見ると,廊下で倒れていた本人を見つけたとのこと.数秒後,呼びかけに反応したが,母親により救急要請された.救急隊接触時は独歩可能な状況であった.来院時は意識清明で,バイタルは血圧65/45mmHg,心拍数70,呼吸数19,SpO2 99%(室内気),体温36.9℃であった.冷汗が著明であった.体幹に発赤を認め,咽頭の違和感を訴えていた.すぐにエピネフリン0.3mlを筋注し,血圧95/47mmHgに回復した.二峰性アナフィラキシーの発現に備え,その晩は経過観察入院となったが,入院後は,アナフィラキシーを再発せず,第2病日に退院した.
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