今月の主題 マスト細胞
症例
マスト細胞性白血病
杉田 憲一
1
Ken-ichi SUGITA
1
1獨協医科大学小児科
キーワード:
マスト細胞性白血病
,
臨床症状
,
検査所見
Keyword:
マスト細胞性白血病
,
臨床症状
,
検査所見
pp.787-790
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904127
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マスト細胞性白血病はマスト細胞由来の新生物の15%程度を占める.症状は発熱,体重減少に加えて,腹痛,嘔吐,下痢,胃潰瘍,消化管出血などの消化器症状および低血圧,かゆみ,骨痛などが多い.その他,肝脾腫,リンパ節腫大,貧血,出血症状もしばしばみられる.白血球数は10,000-150,000/μlまでいろいろで,末梢血,骨髄でのマスト細胞の増加により診断される.白血病でのマスト細胞は顆粒は少ないか無顆粒で,ズダンブラック,アルシアンブルーに染色される.また,クロルアセテートエステラーゼ,酸ホスファターゼ反応陽性で,ペルオキシダーゼ反応陰性である.電子顕微鏡によりマスト細胞の顆粒の渦巻状(Scroll),指紋状,層状などの所見がある.予後は極めて悪い.
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