特集 気管支喘息の研究 アップデート
VII.吸入療法の現状と動向
田中明彦
1
Akihiko Tanaka
1
1昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科講師
pp.1012-1019
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307068
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吸入療法,特に吸入ステロイド(ICS)は喘息治療の中心的役割を果たしている。本邦における最新の喘息ガイドラインでは,ICSはすべての治療ステップで第一選択薬剤と位置付けられている。現在,実地臨床で使用可能なICSは5種類存在し,各々が薬剤とデバイスの特徴を有しており,その特徴を理解し使い分けることが望ましい。最近,ICSと長時間作用型β2刺激薬との配合剤のみで慢性管理と発作治療の両方を行うSMART(Symbicort maintenance and reliever therapy)療法が承認され,注目されている。今後の動向に関しては,1日1回のICSの導入や抗コリン薬の喘息への適応拡大などが期待される。