特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
VIII.交叉反応性炭水化物抗原決定基と抗原特異的IgE
竹内裕美
1
Hiromi Takeuchi
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野准教授
pp.739-743
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305077
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抗原特異的IgE抗体検査は,アレルギー性鼻炎をはじめとする I 型アレルギー疾患の診断のために必要不可欠な検査法の1つである。最近臨床で使用され始めているアラスタットAllergy3gTMは,イムノCAPTMにくらべて高感度・ワイドレンジを特徴とする検査法であり,本検査法は I 型アレルギー疾患の診断精度を向上させるものと考える。一方,抗原特異的IgE抗体検査法の精度が向上しても,植物や昆虫に共通する糖鎖である交叉反応性炭水化物抗原決定基(CCD)による無症候性抗原特異的IgE抗体陽性例があることには注意が必要である。