免疫化学検査法 Ⅰ 免疫化学検査の基礎
1・抗原抗体反応
松橋 直
1
1(財)沖中記念成人病研究所
pp.574-579
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204538
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
抗原抗体反応は特異的
抗原抗体反応の特徴は,その反応が高い特異性をもつことである.例えば,A型赤血球は抗A血清とは反応するが抗B血清とは反応しない,また風疹ウイルスは抗風疹ウイルス抗体とは反応するが,他のウイルスに対する抗体とは反応しない,などである.さらにHBs抗原のサブタイプrは,抗r抗体とは反応するが,このrペプチドのN末端より160番目のアミノ酸残基のリジンがアルギニンに入れ替わったサブタイプwに対する抗w抗体とは反応せず,1分子のアミノ酸の違いでも反応が起こらない,という例がある.
この高い抗原抗体反応の特異性は,抗体識別能力が大きく,抗原特異性をもつためである.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.