特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
VII.アレルギー性鼻炎におけるアクアポリン
瀬野悟史
1
Satoshi Seno
1
1滋賀医科大学耳鼻咽喉科学教室/公立甲賀病院耳鼻いんこう科医長
pp.728-736
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305066
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アレルギー性鼻炎の症状には,水様性鼻漏や鼻閉にともなう鼻粘膜間質の浮腫など,急速に多量の水の移動を必要とするものが多い。ヒト鼻粘膜にはアクアポリン1から5が存在しており,それぞれ特徴的な分布を示したことから,鼻粘膜におけるアクアポリンは水分子の移動に深く役割を果たしていると考えられる。また,アレルギー性鼻炎の患者組織やラットアレルギー炎症モデルの検討から,アクアポリンは慢性期のアレルギー炎症においては発現に変化がないが,急性期においては重要な役割を果たしている可能性が示唆された。