特集 成人気管支喘息の難治化要因とその対策
II.各論 5.ライノウイルスなどに対する易感染性と気管支喘息の難治化
山谷睦雄
1
Mutsuo Yamaya
1
1東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座教授
pp.532-537
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201304056
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
風邪症状を呈する気管支喘息患者ではライノウイルスを中心としたウイルスの検出頻度が高く,ウイルス感染に随伴する喘息発作を繰り返す。ウイルス感染において気管支喘息あるいはアトピー性素因のある対象者では好酸球やリンパ球の浸潤が強く,長く生じ,気道反応性が亢進する。気管支喘息患者の気道上皮ではライノウイルスの増殖が亢進し,インターフェロン誘導の欠如が関与すると報告されている。感染受容体の発現亢進やウイルスの増殖亢進がライノウイルスなどに対する易感染性をもたらし,気管支喘息の難治化に関与する。