特集 アレルギー疾患の将来展望 ~発症率の推移から望ましい治療薬の今後など~
Ⅰ.有症率の推移からの患者数,重症度の推移
2.成人喘息
福冨友馬
1
,
谷口正実
2
Yuma Fukutomi
1
,
Masami Taniguchi
2
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター室長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センターセンター長
pp.1256-1261
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018101256
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実際の疫学データは限られているが,成人喘息の有病率はこの30年で経年的に増加してきており,現在も増加傾向にあると考えられている。2000年に入ってから,効果の高い吸入ステロイドの販売開始と,その使用を推奨する治療ガイドラインの普及により喘息患者のコントロールは大きく改善し,喘息発作受診・入院患者は減少,喘息診療は大きく変わった。しかしながら,現状においても症状がコントロールできない喘息患者は依然として存在しており,それには肥満やアスピリン喘息,真菌感作などのステロイド抵抗性の病態が関与している。