特集 薬剤性肺障害の手引き
II.薬剤性肺障害の診断と治療~診断の手順,鑑別診断,治療~
臼井裕
1
,
金澤實
2
Yutaka Usui
1
,
Minoru Kanazawa
2
1埼玉医科大学呼吸器内科准教授
2埼玉医科大学呼吸器内科教授
pp.358-362
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303026
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薬剤投与中に新たな肺陰影の発生に気づいたら,薬剤性肺障害である可能性を想起することと被疑薬による肺障害の既報告を直ちに参照することが肝要である。鑑別すべきは,肺感染症と既存肺疾患の増悪にほぼ集約される。診断に必要な検査は多岐にわたるが,感染症の鑑別は概ね可能である。一方,既存に間質性肺疾患があると,原病の増悪と薬剤性肺障害を鑑別することは容易でない場合がある。被疑薬の中止・変更を行った上で,呼吸状態・病勢に応じて副腎皮質ステロイド投与の適否,投与量,投与開始のタイミングを決定する。