特集 薬剤性肺障害の手引き
I.薬剤性肺障害の基礎知識~定義,疾患概念,臨床病型,発症機序,疫学~
吾妻安良太
1
Arata Azuma
1
1日本医科大学内科学 呼吸器・感染・腫瘍部門教授
pp.348-356
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303016
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薬剤の適正使用にもかかわらず発症する肺障害と定義される「薬剤性肺障害」は,近年の医薬品開発に平行して,我が国でも関心が高まっている。特発性間質性肺炎やその周辺疾患に類似する臨床像を呈し,画像所見ならびに病理形態も特発性の病態に準じて表現される。発症機序は様々で,びまん性肺胞障害を呈する場合には,極めて予後不良である。一方,同一薬剤でも異なる病像を呈する場合もあり,宿主の反応性が異なると考えられている。さらに日本人は肺障害を起こしやすいのか? 医薬品開発の国際市場において,有効性のみならず安全性評価にも注目が集まっている。