特集 薬剤性肺障害の手引き
III.薬剤性肺障害の検査
服部登
1
Noboru Hattori
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院分子内科学准教授
pp.364-370
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201303032
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患者に新たな肺病変が出現した場合には,必ず市販薬,サプリメントなども含めた薬剤の摂取歴を必ず聴取すべきである。そして,その肺障害の原因が薬剤にあるのかどうかは,肺障害を起こしうる他疾患が鑑別されるかどうかによるとも言える。すなわち,薬剤性肺障害の診断過程で行われるのは,主として他疾患の存在を検証する検査法となるのである。また,薬剤アレルギーをみる手段として,わが国では薬剤リンパ球刺激試験が頻用されるが,薬剤性肺障害の確定診断に使用できる根拠に薄く,あくまでも補助的検査とみなされるべきである。