Japanese
English
特集 “One Health時代”の耐性菌対策・研究
8.多剤耐性緑膿菌の新たな理解
New findings for multidrug resistant Pseudomonas aeruginosa
黒田照夫
1
Kuroda Teruo
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院・微生物医薬品開発学 教授
キーワード:
多剤耐性緑膿菌
,
多剤排出ポンプ
,
MexXY
,
MexCD-OprJ
Keyword:
多剤耐性緑膿菌
,
多剤排出ポンプ
,
MexXY
,
MexCD-OprJ
pp.91-98
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201705091
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
多剤耐性緑膿菌は,緑膿菌による感染症に対して用いられるフルオロキノロン系,カルバペネム系,アミノグリコシド系抗菌薬のすべてに耐性を示すものである。これらの抗菌薬は標的が異なるため交差耐性は示さず,各耐性にはそれぞれの耐性機構が存在する。本研究では,全塩基配列が明らかにされている緑膿菌PAO1株を用いて,これら3系統の抗菌薬に曝露させることで耐性変異株を取得し,その耐性機構について解析を行った。その結果,抗菌薬を曝露させる順番によって,多剤耐性緑膿菌の定義に該当する耐性株の分離頻度が異なることが明らかとなった。そして,多剤耐性緑膿菌の出現には多剤排出ポンプMexXYの発現上昇がカギを握ることが示唆された。