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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
2.グラム陽性菌におけるプラスミド媒介性の薬剤耐性の特長 5)グラム陽性菌のプラスミド性消毒薬低感受性
Plasmid-borne reduced susceptibility to biocides in Gram-positive bacteria
野口雅久
1
Noguchi Norihisa
1
1東京薬科大学薬学部病原微生物学教室 教授
キーワード:
消毒薬
,
多剤排出ポンプ
,
ブドウ球菌
,
qac遺伝子
,
プラスミド
Keyword:
消毒薬
,
多剤排出ポンプ
,
ブドウ球菌
,
qac遺伝子
,
プラスミド
pp.74-81
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507074
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感染制御において重要なツールである消毒薬に低感受性(抵抗性)を示すブドウ球菌が分離されている。低感受性をもたらす因子として,グラム陰性菌では染色体性の異物排出系が知られているが,ブドウ球菌ではプラスミド性の多剤排出因子が存在し,ヒトや動物由来のブドウ球菌において消毒薬低感受性プラスミドが発見されている。プラスミド性消毒薬低感受性因子はタンパク質構造から2つに大別され,さらに各々多型が存在する。最近,これらの消毒薬低感受性ブドウ球菌の院内感染や血流感染との関連性が指摘されている。本稿では,ブドウ球菌のプラスミド性消毒薬低感受性因子の分子生物学的特徴,消毒薬感受性および伝播・分布について紹介する。