Japanese
English
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201701097
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新規ブニヤウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)が新規重症感染症として中国で流行していることが報告されたのが2011年のことで,2013年1月には日本でもSFTSが流行していることが確認された。発見から約4年が経過したが,これまでに約200人の新規患者が報告され,その致命率は25~30%に及び特異的な治療法の開発が望まれている。中国の研究者によってSFTSの治療においてリバビリンによる効果はないと報告されている。2016年には,RNAウイルス(特に陰性側鎖一本鎖RNAウイルス)に抗ウイルス活性を有するファビピラビルがSFTSの原因ウイルスであるSFTSウイルス(SFTSV)の増殖を抑制し,しかもインターフェロン受容体欠損マウスにおけるSFTSV感染症に対して治療効果を発揮することが報告された。SFTSの治療薬としてのファビピラビルの有効性について評価されることが望まれる。