連載 カラーグラフィック
画像から読み解く感染症(19)
Ⅶ 泌尿・生殖器 2.卵管卵巣膿瘍
吉田理佳
1
,
吉廻毅
2
,
北垣一
3
Yoshida Rika
1
,
Yoshizako Takeshi
2
,
Kitagaki Hajime
3
1島根大学放射線医学講座 助教
2島根大学放射線部 准教授
3島根大学放射線医学講座 教授
pp.4-9
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201701004
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骨盤内炎症性疾患は,卵管炎,卵巣周囲炎,卵巣卵管膿瘍を含む感染性または炎症性疾患の総称である。以下の診断基準を推奨している1)。必須診断基準(A):① 下腹部痛,下腹部圧痛,② 子宮/付属器の圧痛。付加診断基準(B):① 体温38度以上,② 白血球増加,③ CRP(C反応性タンパク)の上昇。特異的診断基準(C):① USやCTによる膿瘍像確認,② ダグラス窩穿刺による膿汁の吸引,③ 腹腔鏡による炎症の確認。この中でも卵巣卵管膿瘍は腹腔内への炎症波及から汎発性腹膜炎をきたす可能性もあり重篤な状態である。正しく診断することが適切な診療につながる。