特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
その他の注意すべき感染症
重症熱性血小板減少症候群
横田 恭子
1
1香川県立中央病院感染症科
キーワード:
重症熱性血小板減少症候群
,
SFTS
,
ダニ媒介感染症
,
ウイルス性出血熱
Keyword:
重症熱性血小板減少症候群
,
SFTS
,
ダニ媒介感染症
,
ウイルス性出血熱
pp.103-107
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_103
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニによって媒介されるウイルス性出血熱であり,死亡率は約30%と高い.
▪血液,体液を介して接触感染を起こすことも知られており,迅速に診断および感染対策を行う必要がある.
▪近年,ヒト以外の哺乳類での感染事例や,感染動物からヒトへの感染事例が報告されており,公衆衛生学上の懸念である.
▪西日本を中心に流行しているが,非流行地域でも今後発生する可能性がある.
▪確立した治療法はまだないが,2019年現在favipiravirによる治療の可能性が検討されている.早期に診断し,診療経験のある医療機関や相談機関にアドバイスを求めることをお勧めする.
© Nankodo Co., Ltd., 2020