Japanese
English
特集1 Antimicrobial Stewardship Program(ASP)の理論と実際
序 -抗菌薬処方の行動科学的背景についての論考-
Insight into behavioral science of antimicrobial prescription
青木洋介
1
Aoki Yosuke
1
1佐賀大学医学部国際医療学講座 教授
キーワード:
説明責任
,
透明性
,
Outcome bias
,
Substitution
,
Intensity matching
Keyword:
説明責任
,
透明性
,
Outcome bias
,
Substitution
,
Intensity matching
pp.22-24
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201611022
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医師が抗菌薬を処方する背景には医療の説明責任や透明性が関与している。ケアプロセスの質の高低に関係なく,“結果がすべて”というoutcome biasあるいはhindsight biasが抗菌薬投与という医療行為を左右している。一般医家が抗菌薬を選択するプロセスには,重症度の推量を炎症強度に置き換え(substitution),その強度を抗菌スペクトルの広さにあわせて(intensity matching)薬剤を選択するというヒトの行動科学が介在していると考えることができる。抗菌薬適正使用支援プログラム(Antimicrobial Stewardship Program:ASP)を推進する際には抗菌薬処方という行動に内在する複合的な因子を認識しておくほうがよい。