Japanese
English
特集 リスクマネジメント
患者側からみた医療事故・医療過誤―問われる医療側の責任
Medical accidents and malpractice in the positions of patients:civil liability, criminal liability, administrative liability and accountability
石井 麦生
1
,
鈴木 利廣
1
Mugio Ishii
1
,
Toshihiro Suzuki
1
1すずかけ法律事務所
1Suzukake Lawyer's Office
キーワード:
医療事故
,
医療過誤
,
民事責任
,
刑事責任
,
行政責任
,
説明責任
,
リスクマネジメント
,
医療安全
Keyword:
医療事故
,
医療過誤
,
民事責任
,
刑事責任
,
行政責任
,
説明責任
,
リスクマネジメント
,
医療安全
pp.323-327
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100076
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はじめに
医療界において,長らくの間,医療事故は「あってはならないもの」と考えられていたため,医療事故がいったん起きると,「嘘をつく.隠す.逃げる.」という対応がとられてきた.しかし,1999年,横浜市立大学附属病院における患者の取り違え事故,都立広尾病院における医療事故隠しと不祥事が相次ぎ,医療事故対策の必要性が強く意識されるようになり,医療安全の確保は大きな社会問題となった.
この事態を重く受け止めた厚生労働省が種々の対策を講じるなか,2002年4月,同省医政局および医薬安全局長の私的検討会である医療安全対策検討会議(座長:森亘・日本医学会会長)が,報告書「医療安全推進総合対策―医療事故を未然に防止するために―」をまとめた.同報告書では,医療安全の確保は医療政策における最も重要な課題であり,医療の安全と信頼向上のため,わが国の医療に,患者の安全を最優先に考え,その実現を目指す「安全文化」を醸成しなければならないとの基本姿勢が示されている.
まさにこの「安全文化」を醸成することこそが,今,医療側に求められているものだと言える.
そこで,本稿では,医療事故・医療過誤の現状を概観し,そこで医療側に問われる責任を論じ,リハビリテーション分野での責任のあり方に言及する.
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