Japanese
English
特集1 Antimicrobial Stewardship Program(ASP)の理論と実際
1.わが国におけるASP推進の現状と課題
Challenges and opportunities in antimicrobial stewardship programs in Japan
矢野晴美
1
Gomi Harumi
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・感染症科 教授
キーワード:
Antimicrobial Stewardship
,
Antimicrobial use
,
Antimicrobial resistance
,
Infection Control Team
Keyword:
Antimicrobial Stewardship
,
Antimicrobial use
,
Antimicrobial resistance
,
Infection Control Team
pp.26-29
発行日 2016年10月25日
Published Date 2016/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201611026
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抗菌薬の耐性は世界的な課題としてG7伊勢志摩サミットでの議題となり,わが国でもアクションプランがようやく策定された。人口1千人当たりの抗菌薬使用量を現状の2/3にすること,経口抗菌薬のうち,第三世代セフェム系薬,マクロライド系薬,ニューキノロン系薬を50%削減し,静脈注射薬も20%削減という目標が明確に打ち出された。Antimicrobial Stewardship(抗菌薬適正使用支援)として,「抗菌薬の適正な使用」にとどまらず,医療安全の立場から,患者に適切な抗菌薬による治療の確認,ワクチンなどによる予防可能な疾患の予防,耐性菌の蔓延予防のための的確な感染対策など,院内および地域での包括的な活動が必要である。また,入院診療におけるカルバペネム系抗菌薬などの使用許可制の導入の推進,特定抗菌薬の使用状況の把握と適正使用の推進,外来診療における経口抗菌薬の処方に対するフィードバックシステムなどが望まれる。