Japanese
English
特集 消化管感染症の発症メカニズム
11.Kudoa septempunctataによる食中毒とその発症機序
Food poisoning outbreak caused by Kudoa septempunctata and its pathogenesis
大西貴弘
1
Ohnishi Takahiro
1
1国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部第4室 室長
キーワード:
クドア
,
寄生虫
,
食中毒
Keyword:
クドア
,
寄生虫
,
食中毒
pp.117-125
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609117
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ヒラメの生食にともなう原因物質不明の食中毒が多く発生している。この食中毒は一過性の下痢や嘔吐をおもな症状とし,潜伏時間が非常に短いのが特徴である。その後の研究により,この食中毒の原因微生物として新種の粘液胞子虫Kudoa septempunctataが同定された。K. septempunctataはヒラメと環形動物を宿主に取り生活環が形成されている。ヒトへの感染はK. septempunctata胞子を含むヒラメ筋肉を経口的に摂取することによって成立する。本稿ではこのK. septempunctataによる食中毒について,その発症メカニズムを中心に,これまでに明らかになっていることを解説したい。