今月の主題 食中毒,その発症をめぐって
総説:病原因子・発症機序と検査法
ブドウ球菌食中毒
山口 禎夫
1,2
,
花木 秀明
1,2
,
砂川 慶介
1,2
Yoshio YAMAGUCHI
1,2
,
Hideaki HANAKI
1,2
,
Keisuke SUNAKAWA
1,2
1北里研究所感染制御研究室
2北里大学感染症学
キーワード:
黄色ブドウ球菌
,
食中毒
,
エンテロトキシン
,
コアグラーゼ型
Keyword:
黄色ブドウ球菌
,
食中毒
,
エンテロトキシン
,
コアグラーゼ型
pp.467-473
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101176
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〔SUMMARY〕 ブドウ球菌食中毒は,黄色ブドウ球菌によって引き起こされる毒素型食中毒である.その原因毒素は,エンテロトキシン(腸管毒または腸毒素)と呼ばれている.ブドウ球菌食中毒の検査では,各種検査材料から菌の検出とともに,エンテロトキシンを直接検出することが推奨されている.各種検査材料から菌量,エンテロトキシン量の測定,エンテロトキシンやコアグラーゼの型別試験等で一致性を検討し,食中毒の診断を下している.エンテロトキシンは耐熱性毒素で,通常の調理法では,失活しないため,手指を介した食品の汚染を避けるため,十分な衛生管理が必要である.
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