Japanese
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特集 消化管感染症の発症メカニズム
10.クリプトスポリジウム感染による病態発症メカニズム
Pathogenic mechanisms caused by Cryptosporidium infection
西川義文
1
Nishikawa Yoshifumi
1
1帯広畜産大学原虫病研究センター生体防御学分野 准教授
キーワード:
下痢症
,
原虫
,
クリプトスポリジウム
Keyword:
下痢症
,
原虫
,
クリプトスポリジウム
pp.108-115
発行日 2016年8月25日
Published Date 2016/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201609108
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感染性の下痢症は世界中に蔓延する罹患率と重症度の高い疾患であり,特に子どもへの影響は深刻である。クリプトスポリジウムは下痢症を引き起こす代表的な病原性原虫であり,公衆衛生的にも治療や予防によるコントロールが必要とされている。クリプトスポリジウム感染に対する薬剤やワクチンの開発を実現するためにはクリプトスポリジウム症の発症メカニズムを理解する必要がある。しかし,本感染症は顧みられない病気とされており,研究進展の遅れから病態の分子レベルの理解については不明な点が多い。本稿では,本下痢症の制圧につながる情報としてクリプトスポリジウムの感染病態に関与する原虫因子や宿主への作用について解説したい。