Japanese
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特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅱ 臨床 5.ニューモシスチス肺炎の病態と治療-HIVと非HIVにおける比較-
Pathogenesis and treatment of Pneumocystis pneumonia-Difference between HIV and non-HIV-
照屋勝治
1
Teruya Katsuji
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター ACC病棟医長
キーワード:
感染経路
,
発症リスク
,
病態の違い
Keyword:
感染経路
,
発症リスク
,
病態の違い
pp.98-105
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607098
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ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis pneumounia:PCP)は,Pneumocystis jirovecii(P. jirovecii)を病原体として,細胞性免疫が高度に障害された宿主で発症する日和見疾患であり,HIV患者におけるもっとも頻度の高いエイズ指標疾患である。非HIV領域では,ステロイドや免疫抑制薬の投与,造血幹細胞移植や固形臓器移植を受けた患者でPCPの発症リスクがある。近年,各種炎症性疾患の病態解明により,TNF(腫瘍壊死因子)阻害薬などの生物学的製剤が自己免疫疾患を中心とした領域の治療に広く導入されてきており,それにともない,特に非HIV領域でPCP発症リスクをもつ患者が急増していくと考えられる。本稿ではPCPの病態と治療について,HIVと非HIVにおける違いに焦点を当てながら概説したい。