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特集 難治性真菌症の病態と治療戦略
Ⅱ 臨床 4.クリプトコックス症の菌種による病態の違いと治療戦略
Intraspecies differences of virulence and clinical approach in Cryptococcosis
中村茂樹
1
,
上野圭吾
1
,
宮﨑義継
2
Nakamura Shigeki
1
,
Ueno Keigo
1
,
Miyazaki Yoshitsugu
2
1国立感染症研究所真菌部 主任研究官
2国立感染症研究所真菌部 部長
キーワード:
Cryptococcus neoformansi
,
高病原性Cryptococcus gatti
,
播種性クリプトコックス症
,
治療戦略
Keyword:
Cryptococcus neoformansi
,
高病原性Cryptococcus gatti
,
播種性クリプトコックス症
,
治療戦略
pp.90-97
発行日 2016年6月25日
Published Date 2016/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201607090
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クリプトコックス属真菌は中枢神経感染症の原因菌として肺炎球菌に次いで分離頻度が高く,クリプトコックス症はわが国で健常者に発症する侵襲性真菌症でもっとも頻度が高い。近年,散発的ながら,高病原性Cryptococcus gattiiの国内発生例も認められたことから,その公衆衛生学的重要性が高まり,平成26年(2014年)9月の感染症法改正によって,播種性クリプトコックス症は五類全数把握疾患に加わった。クリプトコックス症の原因菌はC. neoformansとC. gattiiに大別されるが,その病態は菌種間で大きく異なり,特に免疫応答の差異については重症化との関連も含めて徐々に明らかになりつつある。本稿では,C. neoformansとC. gattiiの病態と治療戦略の相違について概説する。