Japanese
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特集 医療機関における職業感染予防と曝露後の対処
3.医療従事者のHIV感染予防と曝露後の対処
Management of occupational exposures to HIV
照屋勝治
1
Teruya Katsuji
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター ACC病棟医長
キーワード:
PEP(曝露後予防)
,
曝露後の感染リスク
,
USPHSガイドライン
Keyword:
PEP(曝露後予防)
,
曝露後の感染リスク
,
USPHSガイドライン
pp.38-44
発行日 2014年6月25日
Published Date 2014/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201407038
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今後,わが国のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)患者数の増加にともない,一般医療機関においてHIV患者を診療する機会(確率)は加速的に増加すると推定される。HIVは,HBV,HCV(B型肝炎ウイルス,C型肝炎ウイルス)に比べて感染力がきわめて弱く,針刺し事故後に予防内服を行わなかった場合でも感染確率は0.3%程度であり,世界的にも職業的曝露によるHIV感染例は少ない。さらに,適切な曝露後予防内服を行うことにより曝露後の感染を100%阻止できることもわかってきている。HIVの怖さは実際には「心理的な側面」が大きい。万一,曝露事故が起きた場合でもパニックにならずに,すみやかにPEP(postexposure prophylaxis:曝露後予防)が行えるような体制を各医療機関で確立することが重要である。