Japanese
English
特集 食の安全と微生物汚染
8.カンピロバクター感染の現状と病原性
Clinical and epidemiological aspects of Campylobacter enteritis
藤本秀士
1
Fujimoto Shuji
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門検査技術科学分野 教授
キーワード:
: カンピロバクター腸炎
,
カンピロバクター食中毒
,
キノロン耐性カンピロバクター
Keyword:
: カンピロバクター腸炎
,
カンピロバクター食中毒
,
キノロン耐性カンピロバクター
pp.78-86
発行日 2016年3月25日
Published Date 2016/3/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201604078
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カンピロバクターによる感染性腸炎は,食中毒や散発性下痢症として世界中で発生し,公衆衛生上の大きな問題となっている。わが国での患者数は年間150万人ほどと推定されている。本菌食中毒は細菌性食中毒の中で常に上位にあり,春・秋を中心に年間を通じて発生している。原因菌の大半はCampylobacter jejuniで,特に鶏が高率に汚染されており,鶏肉・内臓の生食・加熱不十分での喫食が感染原因のひとつとなっている。ニューキノロン系への薬剤耐性化も進行しており,食材の生産から消費までの,フードチェーン全体での連携した感染制御対策が必要かつ急務である。