特集 食中毒の新たな課題
カンピロバクター食中毒
朝倉 宏
1
1国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部
pp.470-475
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208680
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はじめに
カンピロバクター食中毒は国内外を問わず,細菌性食中毒の中で最も発生頻度が高く,発生低減が社会的に求められている.厚生労働省が取りまとめている食中毒統計資料(食中毒発生動向に関する統計資料)1)によると,2015年に発生した本食中毒発生件数は計318件,患者数は2,089人に上っており,同年の食中毒事件総数1,202件の26.5%,細菌性食中毒事例総数の73.8%を占めている.食中毒報告数が発生案件の一部に限られるとする疫学的見解を踏まえると,実際の本食中毒発生数はさらに多いものと考えられる.本稿では,本食中毒に関する現況と対策等を取りまとめることとした.
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