Japanese
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特集 感染症における新薬開発のジレンマと展望 -日本が先駆者となるために-
4.抗菌薬の小児への開発
Clinical trial of antibiotics in Japanese pediatric patients
豊永義清
1
Toyonaga Yoshikiyo
1
1東京慈恵会医科大学 客員教授
キーワード:
新GCP
,
治験
,
Informed consent
,
抗菌薬
,
抗真菌薬
,
小児治験ネットワーク
Keyword:
新GCP
,
治験
,
Informed consent
,
抗菌薬
,
抗真菌薬
,
小児治験ネットワーク
pp.46-55
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201601046
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新GCP(Good Clinical Practice)の省令を遵守し,小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスを基本に,近年の小児の治験は進んでいる。小児期の文書によるinformed consentおよびassentの取得は感染症領域では非常に難しい。現在,ほとんどの地域で15歳未満の医療費は無料で,治験での経済的なメリットはまったくなく,Off Labelの薬剤でも医師の裁量で使用できるわが国では,治験の期間が延長している。未承認薬,適応外薬は厚生労働省も前向きに,検討会議から企業に開発の要請を行っている。申請,認可までの時間短縮にはよいことである。抗菌薬は開発期間が長いと経過中に抗菌力の低下も考えられる。まして成人の上市以降に開発をはじめては,開発初期には世界的な存在価値があったものでも価値が失われてしまう可能性もある。成人,小児の同時の承認が基本である。