特集 肝不全・肝硬変に対する再生療法―最先端の今
4.開発中の肝再生医療(5)自己脂肪組織由来間質細胞を用いる肝硬変に対する治療法開発
酒井 佳夫
1
,
金子 周一
1,2
1金沢大学附属病院消化器内科
2金沢大学大学院先進予防医学研究科システム生物学
キーワード:
肝硬変
,
自己脂肪組織由来間質細胞
,
間葉系幹細胞
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
治験
Keyword:
肝硬変
,
自己脂肪組織由来間質細胞
,
間葉系幹細胞
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
治験
pp.1675-1681
発行日 2021年11月20日
Published Date 2021/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002033
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慢性肝疾患は重篤な肝硬変状態に陥る.肝硬変状態ではさまざまな重篤な合併症が生じ,QOLの低下,予後の悪化につながる.慢性ウイルス性肝炎に対する治療が飛躍的に発展した現在,肝硬変に至ってしまっている状態,また,新たに非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の増加が課題となってきた.生体の脂肪組織由来間葉系幹細胞は,障害臓器に対して修復作用を有すると考えられ,修復再生治療への応用が期待されている.われわれは,肝硬変患者の自己の脂肪組織由来の間質細胞を用いる肝臓の修復再生治療の開発研究を進めてきた.本稿では,この臨床開発研究,および,現在行っている脂肪組織由来間葉系幹細胞のNASH・肝硬変に対する治療機序についての研究について記載する.
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