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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
4.プラスミド媒介性の薬剤耐性機構保有菌を想定した検査と解析
Examination and analysis of plasmid-mediated drug resistance bacteria
中村竜也
1
,
吉田弘之
2
Nakamura Tatsuya
1
,
Yoshida Hiroyuki
2
1神戸大学医学部附属病院 検査部/感染制御部 副部長
2神戸大学医学部附属病院 検査部/感染制御部
キーワード:
プラスミド
,
Extended spectrum β-lactamase
,
Metallo-β-lactamase
,
カルバペネム耐性腸内細菌
,
CarbaNP Test
Keyword:
プラスミド
,
Extended spectrum β-lactamase
,
Metallo-β-lactamase
,
カルバペネム耐性腸内細菌
,
CarbaNP Test
pp.118-127
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507118
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プラスミド媒介性の薬剤耐性は,グラム陽性菌,グラム陰性菌の両方に存在するが,現在,世界的に問題となっているのはグラム陰性菌である。特に,カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)は有効な抗菌薬が限定的となるため,その増加が深刻な問題となっている。問題となる薬剤耐性遺伝子の多くが伝達可能なプラスミド遺伝子上に存在するが,β-ラクタマーゼ産生に関与する遺伝子も例外ではない。現在,わが国においては,extended spectrum β-lactamase(ESBL)やメタロ-β-ラクタマーゼ(metallo-β-lactamase:MBL)といった抗菌薬分解酵素の産生をつかさどる遺伝子が問題となっている。それらの検出は酵素を阻害する物質と薬剤とを組み合わせることにより可能となる。ESBLであればクラブラン酸,MBLであればEDTA(エチレンジアミン四酢酸)やメルカプト化合物と耐性化している抗菌薬を使用することで検出可能となる。また最近では,CarbaNP法など,より迅速にβ-ラクタマーゼを検出する方法も開発されている。本稿ではグラム陰性桿菌に焦点を当て,プラスミド媒介性の薬剤耐性菌検出について紹介する。