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特集 プラスミドによる薬剤耐性の菌種間伝播と施設内感染-そのサーベイランス・感染管理の在り方-
3.グラム陰性菌におけるプラスミド媒介性の薬剤耐性の特長 2)キノロン耐性
Plasmid-mediated quinolone resistance among Gram-negative bacteria
山根一和
1
Yamane Kunikazu
1
1独立行政法人国立病院機構米子医療センター感染症科
キーワード:
プラスミド性キノロン耐性機構(Plasmid-mediated quinolone resistance:PMQR)
,
Qnr
,
AAC(6’)- I b-cr
,
QepA
,
OqxAB
Keyword:
プラスミド性キノロン耐性機構(Plasmid-mediated quinolone resistance:PMQR)
,
Qnr
,
AAC(6’)- I b-cr
,
QepA
,
OqxAB
pp.93-99
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201507093
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プラスミド性キノロン耐性機構(plasmid-mediated quinolone resistance:PMQR)は,Qnrの存在が1998年にはじめて報告されて以来,AAC(6’)- I b-cr,QepA,OqxABの4種類が発見された。それぞれの耐性機構は,Qnrは標的タンパクの保護,AAC(6’)- I b-crは抗菌薬の修飾,QepAとOqxABは菌体外への薬剤の排出(薬剤排出ポンプ)に関与している。いずれの耐性機構もキノロンに対する耐性度は高くなく,1種類のPMQRでは,臨床で用いられる感受性検査の基準では耐性にならないと推定される。PMQR陽性菌による感染症に対する治療については,臨床的知見は現在のところほとんど得られておらず,今後の検討が期待される。